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小学校必修化?プログラミング教育の重要性とは!

プログラミングとは、コンピュータに指令を出すために必要な工程です。社会的にプログラミングが注目されるようになり、2020年にはプログラミングが必修となることが決まっています。しかし、プログラミングとは具体的にどういったものか、なぜプログラミングを学ぶ必要があるのかわからない人は多いでしょう。ここでは、プログラミングの基礎や、プログラミング教育の重要性などを説明します。

1.プログラミングとは?

プログラミングとは、コンピュータに対して、意図した処理を行うようプログラムすることです。パソコンやスマホなどに搭載されているコンピュータは、複雑な計算を素早く処理することができ、メモリーには数えきれないほどのデータを蓄積することができます。あたかも万能なようにも見えるコンピュータですが、実は、コンピュータ自身には考える機能が備わっていません。スムーズに動作しているようにみえる場合でも、実際は、人間が作ったプログラムにもとづく動きにすぎないのです。

 

コンピュータを動かすには、一つ一つの「指令」を順序立ててプログラムせねばなりません。人間相手ならば、多少順番が違っても、想像をはたらかせて対処できる場合も多いでしょう。しかし、コンピュータは自分で考えることができないので、指令の順番や内容を正しく設定しないと、不具合を起こします。なお、プログラミングには、特定の「言語」を使います。たとえば、Webサイトの作成に使われるプログラミング言語として、「Java」や「HTML」などが挙げられるでしょう。ほかにも、用途に応じていくつもの言語が作られており、扱える言語が多いほど、多くのデバイスや用途に応じてプログラミングできます。いまや、家電やパソコン、タブレット、スマホ、ゲーム機など、日常生活に関わる多くの機器がプログラムで動いています。もはや、プログラミングなしでは現代生活を維持することは難しいといえるでしょう。

2.プログラミング教育必修化?

日本経済再生本部が発表した日本再興戦略2016で、2020年からIT人材の育成を目的とし、小学校でプログラミング教育が必修化されることが決定されました。かつてはプログラミングがそれほど注目されてはいなかったので、どういった内容を勉強するのか心配している保護者も多いでしょう。必修といっても、プログラミングという科目が新たに加わるわけではありません。「算数」でプログラミングの考え方を利用して多角形を作図する方法を学んだり、「理科」でコンピュータに関係する電気の性質について学んだり、「総合学習」で情報技術に関するグループワークを取り入れたりと、多角的な学習が行われるよう計画されています。簡単なプログラミングを体験しつつ少しずつ難しい内容に挑戦していくことで、自然とプログラミングに対する理解が深まるでしょう。

 

 

小学校より少し遅れ、中学校は2021年、高校は2022年に必修化が開始されます。なお、アメリカやイギリス、ロシア、インド、韓国など、多くの国では、実に数年以上前からプログラミング教育を取り入れています。低学年からプログラミングを選択、または必修科目に割り当てたり、プログラミングのみならずICTリテラシーに力をいれたりしています。世界と比較すると、日本のプログラミング教育は遅れていると言わざるを得ません。

3.プログラミング教育の目的

政府によるプログラミング教育の必修化の狙いは、プログラミング技術を学び、ITに強い人材を育成するだけではありません。コンピュータに意図した処理を行わせるよう指示するプログラミング教育は、子どもたちの考え方や人間性によい影響を及ぼすと考えられています。これからプログラミング教育を通じて育成される能力について紹介します。

3-1.論理的に考える力を育てる

論理的に考える力を育成できると期待されています。ここで、論理的に考える力のことを、政府は「プログラミング的思考」と呼んでいます。プログラミングでは、多くのプログラミング言語を、正しい順番で組み上げねばなりません。どのような順番でプログラムすればよいかを考えることで、プログラミング的思考が養われると考えられます。また、かりにプログラミングしても、想像していたとおりに動作しない場合もあるでしょう。そのような場合、組み上げた多くのプログラミング言語を確認し、問題の箇所を見つけ出す必要があります。

 

このように、トラブルの原因と結果を紐づけることで、自然と論理的思考が身についていくと期待できます。プログラミング的思考は、プログラミング、ITにかかわる職業だけでなく、あらゆる職業で求められる考え方です。子どもたちが今後どのような進路を選ぼうとも、必ず役立つ考え方といえるでしょう。

3-2.問題を解決しようとする力を育てる

問題を解決する力も育成できると期待されています。いまや、インターネットを通じ、あらゆるWebサイトやSNSサイトなどから多くの情報を得ることができます。しかし、起きている問題を分析して本質をとらえ、いくつもの情報の中から適した対処法を見つけねば、解決にはたどり着けません。複雑なプログラミング言語を組み合わせるプログラミング教育によって、子どもたちの分析力が高まると考えられます。自力でプログラミングに取り組み、不具合を分析して改善策を考えるうちに、問題を解決しようとする力が自然と培われることでしょう。

3-3.学びを生かす力と人間性を育てる

学びを生かす力と人間性も、育まれることでしょう。学びを生かす力とは、プログラミングなどの知識や技術を生かし、よりよい社会を作ろうとする力です。コンピュータは現代社会に欠かせません。そのようなコンピュータにかかわる勉強と体験を通じ、子どもたちは社会に関心をもつようになるでしょう。なお、人間性とは、大勢とコミュニケーションをとり問題解決に取り組む力や、多少の困難にもへこたれずにやりぬく力を意味しています。このように、プログラミング教育で学べるものは、知識や思考力のみに留まりません。子どもたちに社会や世界との関わりを意識させ、よりよい生活を送るためにはどうしたらよいか、自発的に考えさせることも重視されています。

4.プログラミング教育のメリット

プログラミング教育を子どもの頃から受けることで、得られるメリットについて紹介します。

4-1.社会への適応

プログラミング教育を行うメリットとして、IT社会に適応しやすくなることが挙げられます。目覚ましいIT技術の進歩は第四次産業革命と表現されるほどです。IT技術としては、さまざまな身の回りのものがインターネットにつながるIoTという技術や、AI(人工知能)などがあげられるでしょう。子どもたちがプログラミング教育を通じてIT技術に親しむことができれば、このようなIT社会に抵抗なく馴染むことができると考えられます。また、子どもたちが大人になるまでに、第四次産業革命にともない既存の社会システム、産業構造、就業構造は激変する可能性があります。IT社会に適応できていれば、こういった変化にも無理なく対応できるでしょう。

4-2.キャリアの幅が広がる

キャリアの幅が広がることも、プログラミング教育のメリットとして挙げられます。まず、パソコンに慣れることができるでしょう。素早くプログラミング言語を打ち込むことで、タイピング速度が向上すると考えられます。素早い操作はあらゆる作業に役立つので、習得しておいて損はありません。なお、パソコンは多くの職場で用いられ、職種に関係なくパソコンスキルを持つ人は重宝されます。プログラミング技術にとどまらず、グラフィックス関連、分析・統計手法などさまざまなパソコンスキルを身につけていくと、キャリアに幅を持たせられます。

 

キャリアについて考える際に、AIの活躍によって奪われる可能性がある仕事について考える人もいるでしょう。受付や会計業務、軽作業などAIによってなくなると予想されている仕事は多いです。仕事を失う人が増えると懸念される一方で、プログラミングなどのIT技術を学べば、安定した仕事に就ける可能性が高まるでしょう。プログラミング技術を生かせばAIを作る側に回ることもできるので、仕事に悩むことはないと考えられます。さらに、スキルに自信があれば、雇用されるだけでなく独立することもできます。このように、プログラミングを学ぶことで子どもの可能性が広がり、キャリア形成に役立つといえるでしょう。

4-3.エンジニア不足の解決

エンジニア不足も解決できるかもしれません。そもそも少子化により働き手は減少傾向にあり、IT業界から他業界へ転職する人もいます。経済産業省の見解によると、2020年までにIT業界ではおよそ37万人もの人材が不足するとされており、人材不足は深刻です。一方、IT社会のことを、まるで未来の話のようにイメージしている人もいるかもしれません。しかしながら実際は、世の中の90%の職業が基礎的なITスキルを必要としています。

 

農業など、ITとの関連性を想像しにくい業界でもIT化は進んでおり、天候を分析して気候変動に備えたり、農作業の効率化がなされたりしています。このようなITスキルに対する世間のニーズに応えるには、優秀なエンジニアが多く必要となるでしょう。プログラミング教育によってIT技術に興味を持ってもらえれば、エンジニアの道を歩む子どもたちが増えると期待できます。

5.プログラミングの活かせる仕事を紹介!

プログラミング能力は仕事に活かすことができます。例として、2つの職種を紹介します。

 

5-1.プログラマー

プログラマーとは、要求されたプログラムを構築する仕事です。プログラマーは、正確なプログラミング能力をもとに、コンピュータで「こういうことを実現したい」、「こんな機能がほしい」という希望を叶えます。なお、デバイスや用途によって適切なプログラミング言語は異なるので、稼ぐためには多くの言語を学習することも必要でしょう。プログラマーが携わる業界は、家電や自動車などの工業用品のほか、ソフトウェアやアプリケーション、ゲーム、ウェブ開発など多岐にわたります。会社に雇用されて働く以外にフリーランスとして活動することも可能なので、自由な働き方も見込める仕事といえるでしょう。

5-2.システムエンジニア(SE)

システムエンジニア(SE)の仕事は、プログラマーが作るプログラムを設計する仕事です。プログラマーとクライアントとの間に立つSEには、クライアントの意向をくみ取る能力が必要です。ときには漠然とした希望がよせられることもあるので、コミュニケーションスキルが欠かせません。クライアントの要望に沿ってプログラムの設計を行った後は、プログラマーにプログラミングを任せます。また、SEは案件全体を統括するリーダー的な役割も担っており、ときには開発費や制作期間などをマネジメントする場合もあります。

6.プログラミングスクールがおすすめ!

子どもにプログラミングを学ばせるなら、プログラミングスクールがおすすめです。プログラミングスクールでは、何歳からでも学習に取り組めることがメリットといえます。プログラミングでロボットを操作するなど授業内容を工夫し、子どもが興味を持ちやすいように考えられているのがポイントといえるでしょう。また、大勢の仲間と一緒に学べ、切磋琢磨することで、学びへのモチベーションが維持されやすくなります。一方、学校のプログラミング教育には手探りの部分もあります。専門的な講師からレベルが高い教育を受けるには、プログラミングスクールを検討してみてください。

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